当教室には、ヤマハ幼児科卒業後、または途中から、移ってくる子も多いのですが、1つ大きな困ったことがあります。
それは、楽譜が読めないこと!
全く読めない、とまでは言いませんが、ものすごく読むのが遅いんです・・・
なぜなら、ヤマハでは、まずドレミで歌い(左手もドレミで全部歌わせる)、完全に覚えてから弾き、最後に楽譜を確認する、という流れで、曲を導入するからです。
音楽的なアプローチとしてはいいと思いますが、このやり方だと、楽譜をよむ習慣が、全く育ちません。
これは、将来にまで大きな弊害となります。
大学時代の同門の先輩で、ヤマハ育ちの方がいたのですが、とにかく譜読みが遅くて、新しい曲を与えられてもなかなか弾けるようになれず、ある時、レッスンで、「今日は、もういいわね」と、楽譜をパタンと閉じられ、帰されたのだそうで、笑 (弾けていないからレッスンにならない、という意味です)
また、ヤマハグレード取得コースに、昭和音大の演奏家コースの子が在籍していたことがありましたが、とても良く弾けるのに、その演奏レベルから考えると、あまりにも初見ができず、苦労していました。
中高生で、かなり上級者になっているにもかかわらず、音の高さを読み間違えたり、音間違いがあまりに多すぎる兄弟がいて、不思議に思い、きいてみたら、やはりヤマハ育ちでした…
音楽的に楽しく弾くには、耳から覚える方が、子供にとっては楽ですが、いつまでも楽譜をみて弾くことができないようでは困るので、当教室では、楽譜をまず読む、みながら弾く、そのあと暗譜する、ということをできるように、徹底してレッスンを行っています。
ピアノはとにかく音数の多い楽器ですので、いかに早く楽譜が読めるか、曲を仕上げられるか、が、将来、どれだけのレパートリーをこなせるか、広げられるか、にかかってきます。
また初見力があれば、伴奏を頼まれた時にも大変役立ちます。
「楽譜を裏の裏まで読め」と、言われているくらいで、本気でピアノに取り組むのなら、ただ音を読むだけではなく、そこから作曲者が何を表現したかったのかまで想像し
て、考えることが必要になります。
将来困らないように、初歩の段階からしっかり勉強していくことが、大切だと考えています。