稲垣えみ子 著 「老後とピアノ」という本を、1年前に買ったのですが、昨日再読して、改めて面白いと実感しましたので、ご紹介します〜
50代になって、子供の頃やっていたピアノを再開するというエッセイなのですが、その奮闘ぶりが素晴らしくて、ぜひ大人の方に読んで頂きたい1冊です!
子供の頃からずっとピアノを続けてきた自分には、分からない感覚もたくさんあり、なるほど、こういうところが大変なのか、子供と違うのか、と、気付かされることも多く、ピアノ指導者にもお勧めかもしれません?!
毎日2時間の練習、曲を仕上げる行程、手の故障からの回復、発表会経験、など、参考になる、読み応えのある内容ばかりでした。
特にショパンワルツをくだりでは、すべてのシャープフラットに赤丸をつけ、音名を書き、1小節ずつなんとか進んでいく、、、書きすぎて拡大コピーする、、、などなど、本当に苦労して、譜読みされている様子がありありと伝わってきました!
大体、ソナチネあたりになると、ショパンワルツもやり始めたりしますが、最初のうちは、調号の多さ(シャープ、フラット)に、皆、面くらい、大人も子供も、苦労するようです。
子犬のワルツなどは、発表会で弾きたいという本人の希望により、背伸びして与えることもよくありますが、大抵、フラット5個に苦労して、音を覚えるまでに、かなり時間がかかったり。
60代の生徒さんで、子供の頃、バッハ、ベートーヴェンなどバロック、古典までしかやってこなかったとおっしゃる方がいて、ではショパンをぜひやりましょう〜と、ワルツを何曲かやったのですが、とにかく譜読みが大変で辛い、他の曲にしたい、と言われたことを思い出しました。
その方は、ツェルニー40番まで勉強済のため、テクニックはしっかりしていて指も回るし、ベートーヴェンソナタはちゃんと弾けるのに?!と不思議でしたが、そこまで辛いと言われては続けるわけにもいかず、(子供だったら強制的にやらせてたと思いますが?!)、では北欧のショパンにしましょうか、とグリーグ抒情小曲集に変更しました。
手の痛み、故障の話では、体の使い方に関する本を読んだり、いろいろ検索して調べに調べて、結果、とにかく脱力すること、に行き着くわけですが、本当にその通りだな〜と実感。
いい音を出すには、とにかく脱力が命で、脱力した状態で、いかに指、手、体を動かすかは、ピアノを弾く人にとって、永遠のテーマのような気がします。
ピアノを弾く時は、自分自身も楽器の一部となるように、ピアノとの一体感を感じて弾くのが理想です。
ひじ、肩、背中、など、どこかに力んでいるところがあると、そこで音の響きが止まってしまいます。
しかし電子ピアノだと、この一体感は感じられないですが、、、
大人になって初めて参加した発表会での奮闘ぶりも、その心の状態が、とてもよく伝わってきて、共感しました!
結局、どんなに準備、練習しても、不安は拭えませんから、本番は開き直るしかないですね。
先月末の教室発表会では、3部後半〜4部は大人の部で、皆さん大健闘でした!
やはり緊張で、普段やったことのないミスをしてしまったり、中には途中しどろもどろになったり、、、いろいろありましたが、皆さん、この曲を弾きたい!という想いがとても伝わってきて、とてもいい演奏でした。
後日、聴きに来ていたお客様からも、とにかく大人が頑張っている姿に、危なくなると、頑張れー!応援したくなった、皆さんのやり切った感がひしひしと伝わってきた、曲に対する熱い思いが伝わってきた、と、大好評でした!
皆さん、半年近くかけて、この1ステージのために、練習を積み重ねて仕上げているので、想いの強さは格別です!
私も、講師演奏で、今年はドビュッシー喜びの島を弾きましたが、途中、暗譜が飛んだのか、次に行こうとしてしまったのか、一瞬の出来事で忘れましたが、ありえない和音を1小節弾いて、次の小節から復活しました。
魔が刺したというか、練習でやったことのないところでど忘れしてしまい、、、あーいう曲なので、曲知ってる人でなければ、気づかないかもしれないレベルですが、本番は恐ろしい、と、つくづく思います、、、
ちなみに当教室の発表会は、強制ではありませんので、出ない方もいらっしゃいますので、ご安心ください♪
著者の方は、グランドピアノで毎日2時間の練習+月1回、ピアニストの先生のレッスン(東京音大出身のピアニスト、という点も、我が母校のため嬉しく思いました!)というスタイルで、ピアノを続けてらっしゃるようですが、よほどストイックな方でないと、なかなか月1回でここまで出来ないかと思います?!
特に、ご自宅が電子ピアノの場合は(アップライトでも)グランドの感触は全然違いますので、月3回レッスンで、グランドに触れる機会を多く作った方がよろしいかと思います。
大人の生徒さんもたくさん在籍されてますので、ぜひ体験レッスンにお越しください♪
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